自分の親が高齢なると、家族・親戚間で相続の話題が上がると思います。
親が持っている不動産をゆくゆくは相続する予定でも、「相続した後の家をどうするか」「そのまま持つか、売却するか」・・・など、難しい問題に直面します。
では、売却を考えたとき、相続前に売却して現金という形で相続するのと、相続後に売却をするのとどちらががお得なのでしょうか?
今回は、相続における不動産売却のタイミングについて解説します。
不動産を売却したときに発生する譲渡所得税や、相続時にかかる相続税は大きな金額になるケースもあるので、少しでもお得に売却や相続を進めたいものです。将来的に不動産を相続する予定がある方はぜひ参考にしてみてください!
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不動産を「相続前」に売却
不動産の所有者が生前に不動産を売却し、現金で相続をするケース
◎メリット
相続人が複数の場合、遺産分割がスムーズになる
相続人が複数いる場合、不動産は現金などと違い、遺産分割が大変かつ面倒です。共有名義にするのか、不動産をもらう代わりに現金を支払うのかなど、相続人同士で話し合って決めなくてはならず、トラブルの元になりやすいです。生前に不動産を売却して現金にしておけば、遺産分割もスムーズに進めることができます。
✖デメリット
不動産売却で利益が出た場合は、その利益(譲渡所得)に対して譲渡所得税がかかる
所有している土地や建物などを売って得た利益のことを「譲渡所得」といい、譲渡所得には所得税や住民税がかかるので、これらを総称して「譲渡所得税」と言います。 (これは相続時に限らず、通常不動産を売却したら必ずかかる税金です)
譲渡所得は、単純に「売れた価格」そのものではなく、不動産を買ったときの費用や、売るときにかかった費用を、売れた価格から差し引いたものが「譲渡所得」になります。
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ちなみに・・・
不動産の所有者(親)が生前の状態で相続したけど、売却をしたくないという場合は「生前贈与」になります。生前贈与をした際は場合によって「贈与税」という税金を納めなくてはなりません。
こちらは注意が必要で、金銭や有価証券など換金性の高い財産を生前贈与することは比較的安易にできますが、土地や不動産などは換金することが難しく、価値が高額な財産を生前贈与する際は慎重に行う必要があります。土地の場合、一部を贈与することは不可能で、一筆(全体)を贈与する必要があります。そのため、高額な贈与税が発生するおそれがあります。
また、相続をする際には「相続税」という税金を納めることになりますが、生前贈与に課税される贈与税には「基礎控除」と言われる非課税枠が存在するため、「相続税対策」という意味では、生前贈与は有効です。ですが、生前贈与により不動産を取得した場合は不動産取得税が課税されるので留意しましょう。
また、不動産を子供に売却する「親子間売買」という方法もあります。
親子間であっても、不動産を「売買」して名義を変更することで、不動産を誰が相続するのかといった、よくある不動産トラブルも回避できます。また、親子間売買の方が税率が低くなっているので、コストを抑えることができます。ですが、親子間であっても通常の取引と変わらず、いくつかの手続きをふむ必要がありますので、実際に売却を終えるまでにはある程度の時間がかかります。
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不動産を「相続後」に売却する
不動産として相続をしてから、売却をして現金化するケース
◎メリット
現金で相続するよりも、かかる税金が抑えられる
財産を相続すると相続税がかかります。
例えば、3000万円の価値がある不動産をそのまま相続するのと、売却して現金で3000万円を相続するのでは、相続税も同じ金額だと思いますよね?
ところが、不動産の法律的な価値である「固定資産税評価額」と、売却金額の「時価」が同じとは限りません。ほとんどの場合、固定資産税評価額は時価よりもかなり低いのです。不動産のまま相続をして、固定資産税評価額で計算された相続税の方が安くなるケースが多いです。
また、相続後に不動産を売却した場合にも、利益に対して譲渡所得税がかかります。
この場合の利益は「不動産の売却価格ー不動産の取得費」の計算式で求めますが、一定期間内に売却をすれば、取得費に相続税を含めて計算することができます。取得費を増やして譲渡所得を抑えることができれば、その分の譲渡所得税も節税することができます。
✖ デメリット
相続人が複数の場合、売却手続きが複雑になる
相続人全員で共有財産として相続したなら、売却に関しても相続人全員の同意が必要となります。一人でも反対意見の人がいれば話がまとまらず、不動産の売却がなかなか進められない事態に陥ってしまう可能性があります。
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以上が「相続前」「相続後」の不動産売却の違いでした。
どちらにしろ何かしらの税金は発生しますので、そこは避けられません。ですが、少しでもかかる税金を抑えられたり、相続でもめる前に解決出来たりと、ちゃんとメリットもあります。不動産の相続や売却は一人では決められないことですので、しっかりと家族間で話し合って、何がお互いにとってベストなのかを、トラブルになる前に決めておくことが大切です。
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